「動機とは何か?」を読んだ方への問題の回答

毎日欠かさぬ犬の散歩のような継続的な行動は、動機に支えられていると思っていいだろう。動機がないと、なかなか続かないものだ。ところで、3つの社会的動機のうち、どの動機によって支えられているかが問題だった。

犬の散歩出典:http://benriyasan.jp/

正解は「どの動機か分からない」である。

動機は「ある目標とする状態に到達しようとする、無意識かつ継続的関心や欲求」と定義している。動機が欲求を生み、欲求から願望が生まれる。その願望を実現しようとして行動が生まれる。ここで重要なポイントは「継続的」である。行動が継続的なら、その行動は動機に支えられていると考えられる。ただ、3つの社会的動機のどの動機かは、ある特定の行動――この問題の場合は「犬の散歩」――だけからは判断できないのだ。動機を考える上で、非常に重要なポイントだ。

この男性は糖尿病予備軍と診断され、毎日の散歩を自らに課した。ついでだから犬も連れて行くことにした。決めたら、必ず実行する。この男性は達成動機が高いのだろう。

この男性は飼い犬を愛し、犬との交流を楽しんでいる。犬は散歩が大好きだ。だから毎日散歩に連れて行ってあげている。雨だって構わない、犬は散歩に行きたがっているのだ。この男性は親和動機が高いのだろう。

犬の散歩をしていると、前から見知らぬ女性が犬を連れて歩いてきた。犬を連れていれば話しかけても怪しまれない。犬を連れずに話しかければ、痴漢かなにかに思われるに相違ない。普通、道を歩いていて、見知らぬ女性にいきなり話しかけることはしないはずだ。この男性は女性に怪しまれることなく話しかける機会を求め、毎日、散歩しているのだ。そしていつかその女性を・・・。女性を支配する願望とすると、この男性は権力動機が高いということになる。

継続的でも、特定の行動だけから動機を類推するのはやめるべきだ。可能性は常に3つある。色々な行動がどれも同じ動機に起因すると考えられて初めて、動機の類推ができると考えてほしい。

この話しは、ヘイグループのペット・ジョークだった。同僚の渡辺さんのプレゼンで聞いた話し。なかなかできのいい話しではないか。うまく3つの動機の違いを表現している。

以上

佐久間 陽一郎
東京大学卒業、米ウェストバージニア州立大学大学院卒業、元アーサー・D・リトル・インターナショナル副社長兼マーケティング・ディレクター、佐久間コンサルティングオフィス代表(現職)、スタンレー電気社外監査役(現職)、元東北大学大学院客員教授、元日本工業大学専門職大学院技術経営研究科研究科長兼教授。
二つ大学院で計10年間(2004~2014)、社会人学生を相手に、スキル教育を実施し、絶賛を得るとともに、スキル教育体系を作り上げる。

佐久間陽一郎

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