「山川草木悉皆成仏」は仏典には出てこない

 私のスタートアップ講座『能力のプロファイリング』の第4部「価値感のプロファイリング」補章1「日本人には動機がないという考え方」で、「日本の仏教」の特殊性に触れた。「山川草木悉皆成仏(さんせんそうもくしっかいじょうぶつ)」という思想は、インドや中国にもない日本独特の思想だと書いた。若干、正確性を欠くことが判明したので、以下、修正しておきたい。

imgres出所:若尾敬子のブログ

「山川草木悉皆成仏」という言葉は、日本の仏典にはでてこない、近年の造語なのだという。出展は風俗史家井上章一氏である(日経新聞2015年4月1日夕刊より)。ただ、「草木成仏」という思想をひねり出したのは、平安時代の天台宗の学僧安然であった。草や木のような植物でさえ、仏になる、成仏するという考え方だ。

やがて謡曲などで「草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)」という言葉が用いられるようになり、やがて「山川草木悉皆成仏」という言葉が広く使われるようになった、ということであるらしい。図の通り、「山川草木国土悉皆成仏」などという長いのもある。どれも同じことを言っており、どれも正しいと思っていい。いつものように若干曖昧なだけだ。

私事だが、私は仏教徒ではない。一様、真言宗の檀信徒ということになっているが、あくまで葬式と墓のための手段としての仏教徒だ。それでも「山川草木悉皆成仏」という言葉は気に入っている。

佐久間 陽一郎

東京大学卒業、米ウェストバージニア州立大学大学院卒業、元アーサー・D・リトル・インターナショナル副社長兼マーケティング・ディレクター、佐久間コンサルティングオフィス代表(現職)、スタンレー電気社外監査役(現職)、元東北大学大学院客員教授、元日本工業大学専門職大学院技術経営研究科研究科長兼教授。
二つ大学院で計10年間(2004~2014)、社会人学生を相手に、スキル教育を実施し、絶賛を得るとともに、スキル教育体系を作り上げる。

スキルアカデミー 佐久間陽一郎

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