仕事人生における”envelope”と”explore”

ある会社に勤めだす。環境に慣れ、人的関係に慣れ、その会社の文化や不文律も理解するようになる。若干の不満はあろうが、スッカリ慣れ親しんだ安心できる空間だ。後は決まり決まったことを粛々とこなし、同じ明日を迎える。このような「既に確認済みの安全圏」を”envelope”という。「封筒」のことだ。

人は好むと好まざるとにかかわらず、この「封筒」を破って外の世界に踏み出さねばならないことがある。「”envelope”の外へ出ること」を”explore”という。「冒険」だ。危険極まりないが、その危険を乗り越えながら仕事能力を伸長させることができる。

皆で大学に通い、同時期に皆で就活をし、ある会社に勤めだす。こういうワンパターン化された社会の大きなうねりの中で、人は”envelope”の存在を忘れがちだ。これはうまくない。まずは自分が”envelope”の中にいること、そして内と外との境界を意識することが必要だ。

1991年のバブル崩壊までは、”envelope”の中に居続ける仕事人生がよしとされていた。今はもう違う。「当てごとと褌は向こうから外れる」という言い回しがある。期待することとふんどしは本人の意志とは無関係に勝手に外れるということ。今という時代は、”envelope”があなたの意思とは関係なく、勝手に破ける時代だ。だから準備だけは怠らないことだ。対策の一は、自分が今、”envelope”の中にいることを意識化することである。

以上、『ナショナルジオグラフィック』誌の2015年4月号にある、作家池澤夏樹氏の「外へ出ようとする者」からの引用を用いている。私はこの雑誌が好きだ。常に目を外に向けて広げてくれ、”explore”の疑似体験をさせてくれる。この雑誌は購読に値すると思う。

ナショジオ2015.4月号出典:ナショナルジオグラフィック

我々は誰も、人生の冒険者なのだから。

佐久間 陽一郎

東京大学卒業、米ウェストバージニア州立大学大学院卒業、元アーサー・D・リトル・インターナショナル副社長兼マーケティング・ディレクター、佐久間コンサルティングオフィス代表(現職)、スタンレー電気社外監査役(現職)、元東北大学大学院客員教授、元日本工業大学専門職大学院技術経営研究科研究科長兼教授。
二つ大学院で計10年間(2004~2014)、社会人学生を相手に、スキル教育を実施し、絶賛を得るとともに、スキル教育体系を作り上げる。

スキルアカデミー 佐久間陽一郎

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