「役割の定義」が現場の生産性を格段に向上させる

2015年正月、安倍政権が新成長戦略の目玉として、ホワイトカラー・エグゼンプション制度を導入するという。金融ディーラーやエンジニアなどの専門職(管理職ではないという意味だろう)を対象とし、労働時間ではなく、成果に応じて賃金を払おうという制度だ。年収は1,075万円以上を対象にするのだそう。

私がよく知る東証一部上場の自動車部品製造会社。約1万人の社員のうち、上の定義に該当するひとは10人ほど。0.1%のひとを対象に、何やら新しい人事制度を導入しようということだ。正に「大山鳴動して鼠一匹」である。しかし、可哀想なのは「鼠」さんだ。怨嗟(えんさ)の対象となり、「この人はいくら働いても文句の言えないひと」となるのではないか。

何かが間違っている。それは日本企業の人事制度が抱える最大の欠陥と言って間違いない。「成果」の言語化がされていないのだ。「役割の定義」がされ、だから「成果」として何が求められるのか、文章化されていれていることが、ホワイトカラー・エグゼンプション制度導入の必要条件だ。

1月24日から月一で連載が開始される齋藤英子氏の「現場で使える役割の定義と目標管理」(6回シリーズの予定)は、上に書かれた日本企業の最大の欠陥に真正面から答えを与えてくれるものだ。しかも人事制度を変えることなく、あなたの現場で対応可能なことが書かれている。このことであなたは、職場全体を完璧に把握し、従ってよりよいマネジメントを実現できるようになる。

著者である齋藤英子氏と私は、人事のコンサルティング会社として世界一流のヘイグループからの知己(ちき)だ。齋藤氏は同社きっての成果主義人事制度のプロフェッショナルであり、私は社外コンサルタントして、その真髄を教えていただいた。1998年、ダイヤモンド社から『取締役革命』という本を共著で出版している(既に絶版している、念のため)。

取締役革命

『取締役革命』佐久間陽一郎編著、齋藤英子・綱島邦夫著

齋藤氏、今は(株)みのり経営研究所として独立され、以来10年、今も多忙を極めている。10年というのは、このプロフェッショナルの世界では凄いことだ。

ということで、今回の「現場で使える役割の定義と目標管理」は、お忙しい中、私から「どうしても書いて欲しい」と要望し、実現したものである。ご購読を是非とも推奨したい。副題にある通り、「会社では教えてくれない、部下の仕事のマネジメント方法」を教えてくれる。期待してもらっていい。

以上

佐久間 陽一郎
東京大学卒業、米ウェストバージニア州立大学大学院卒業、元アーサー・D・リトル・インターナショナル副社長兼マーケティング・ディレクター、佐久間コンサルティングオフィス代表(現職)、スタンレー電気社外監査役(現職)、元東北大学大学院客員教授、元日本工業大学専門職大学院技術経営研究科研究科長兼教授。
二つ大学院で計10年間(2004~2014)、社会人学生を相手に、スキル教育を実施し、絶賛を得るとともに、スキル教育体系を作り上げる。

佐久間陽一郎